カテゴリー別アーカイブ: 鉄球姫エミリー

鉄球姫エミリー 第五幕 鉄球王エミリー

意外にも、現状望みうる限りのトゥルーエンドを筆者は選択したんだね。後書きにもあるような真逆の展開もありえただけに、主要人物が誰一人として死ななかったのは逆に驚かされた。死亡フラグがビンビンに立っていたリカードは少なくとも戦死すると思っていたんだがw いや、ヘーゼルのためにも生還してくれて本当によかった。

河岸要塞を崩すという作戦はお粗末な気がするので触れないでおくとして、やはりここはグレンの常軌を逸した活躍に注目せざるを得ない。もはやミーネちゃんすらも超越してしまったグレンの戦果はまさに『盾』の称号に値するものだった。これまでのノーフォーク家は政治一家だったけど、これからはグレンを当主に王家を守護する武家として再興できたらよいね。

ここに至るまでの艱難辛苦を乗り越えてきたエミリーの不屈の意志がついに報われて嬉しく思う。またいつ惨禍に見舞われるのかわかったもんでもないが、何があったとしても力強いリーダーとして国民を導いて行って欲しい。
鉄球姫エミリー 第五幕 鉄球王エミリー

鉄球姫エミリー 第四幕 戦場のエミリー

グレンまでもが大局における凡ミスをしてしまった・・・。忠臣ライオネルの進言に耳を貸さなかったところでは殺意が沸いた。この凡ミスのお陰で国が割れ軍が大敗しもはや勝負あったような情勢。エミリーのミスとは桁が2つほど違うのがもう救えなさすぎる。

パーシーは文官で害務省なのに選択した手段が国王暗殺と敵国の手引きとは浅はかではないかね。害務省なら話し合いを尽くせよとも思うが、戦争というものも外交におけるひとつの手段に過ぎないことは認めよう。しかしやはり人事は尽くされていなかったと言わざるを得ない。ミーネに付いたパーシーだけど生かしておくんだろうか。もはや使い道が無い気がするが。

何をしても裏目に出たり人が傷ついてしまったエミリーが意気消沈して戦う気力が失せるのはよくわかる。でもそれを救ってくれたのがロッティなのはちょっと意外だった。まぁ国や民を守るのが王族の勤めなんだしふて腐れている場合じゃないがな。

半島の戦術に炎があったけどあれは素晴らしいね。重騎士を手玉に取ることが出来る炎を使えば暴竜鉄騎兵ですら恐るるにたらない。ひとつ気がかりなのは敵は策を練るがこちらは常に無策というところか。炎の出番はあるかなぁ・・・。

先の大戦での英雄クラスが次々と戦死するのは世代交代をさせる意図があるんかな。ライオネルまで早々に戦死したとなると、もう名のある武将は全然いなくなったんじゃ?グレンは神懸かり的に『柔よく剛を制す』を体得したけど天才美少女ヴィルヘルミーネには全く及ばずだったのは残念だ。

そんな天才と一見互角に渡り合ってしまったエミリーのヒロイン的ポテンシャルの高さだけでどこまで抗うことが出来るのか先行きが不安だが、敵の敵は味方理論で戦略を練ればまた各国の均衡がとれてなんとか冷戦に持ち込みたいところだ。
鉄球姫エミリー 第四幕 戦場のエミリー

鉄球姫エミリー 第三幕 花園のエミリー

血風姫ヴィルヘルミーネとの戦闘に入るまではもうこの物語はここで綺麗に終わらせた方がいいと思った。打ち切りとかではなく、エミリーがガスパールを支えるって話だけでも十分上手く纏まった感があるからね。だから希代の天才美少女ヴィルヘルミーネの登場は物語の続行を意味していてあまり歓迎は出来なかった。

しかし仇敵の侵攻でエミリーが吠え烏合の衆が祖国の為に団結する姿を見ると、もう少しエミリーの受難を見てもいいかもしれんと思うから不思議。されどそう思ったのも束の間、ラストでは脇役のはずのパーシーが謀反、父ジョゼフと国王ガスパールを殺すという斜め上の展開に、あぁまた筆者やってくれたな・・・と。この勢いは第一巻目を思い起こさせる。激烈!撃滅!大喝采!

疲れるわぁ。

これだけ大事になってしまうと時系列で感想を遡るのも何かマヌケだが、エミリーの電撃的なジョゼフへの直談判は面白いものだった。

何もしない。だから、もう・・・何もするな

政争に巻き込まれるエミリーの悲痛な願いだったね。それすら意味のない願いだと切って捨てたジョゼフは見事な憎まれ役であり政治家だな。

エミリーとガスパールの久しぶりの再会で、エミリーがちょっと慌てふためきどうしてよいやら困っている様子が可愛らしかった。可愛いところなんて普段見せないから貴重だw 特に酒池肉林の件では十八禁な知識をガスパールに与えたジョゼフに姉的に怒りを覚えていたのがイイw

重騎士筆頭のアーチボルドに完勝してしまった天才美少女ヴィルヘルミーネの強さは正直あり得ないと思う。せめて2対1の人数差で勝ったというなら納得しようもあるがタイマンの圧勝ってw 筆頭騎士に易々と勝ってしまう戦技無双のヴィルヘルミナ・カルメル、果たしてエミリーに勝機はあるのだろうか。いや、無い。
鉄球姫エミリー 第三幕 花園のエミリー

鉄球姫エミリー 第二幕 修道女エミリー

グレンのカラー絵が女の子に見えてハァハァしてたら・・・、こいつ男かYO!!!

ノーフォーク家はラゲーネン王国の為にエミリーを殺そうとしてるがどう考えてもおかしい。前も言ったけどエミリーを殺したら王族はガスパール1人になるが、病弱でベッドから満足に起きあがれもしないガスパールが病死したら王族がいなくなるだろ。そうなったら内乱になり他国から侵略されるのは必然。だからだよだから!エミリーを殺すのはハイリスク極まりない。そんな選択肢は無いんだYO!!!筆者もこの事実を分かってるだろうにあえて触れないのはここに矛盾があるからだ!

エミリーが毎日礼拝堂で亡くなった臣下に祈りを捧げているのにはくるものがあった。こんなことをしてたら精神的に厳しいだろうに。他の修道女と確執がある件でもエミリーは後悔することになるが、それでも良き王女として失敗しながらも成長していけていた。

毒を盛ったロッティは可愛いから無罪としても、リカードを許したのは寛大すぎて心配になる。しかもノーフォーク家を告発すらしないときた。第三波の暗殺がありえるだけにグレンの牽制は必須だろうなぁ。問題はグレンが逆に始末されないかが気がかり。

戦闘においてはグレンの活躍が素晴らしい。が!殺るのか殺らないのかその判断の遅さが頼りない。護衛騎士に正式採用されたことだしそういう迷いを今後は持たないで欲しい。

前巻とはうって変わって大分ハードさがなくなっていて気分的に読みやすかった。そしてかなり面白かったし今後にも期待。
鉄球姫エミリー 第二幕 修道女エミリー

鉄球姫エミリー

超こラすで5位にランクインしていたので読んでみた。でもこれは・・・。本当にマジでこの作品はハードバトルだった。そんな重い物を期待して読んでいなかったので精神的にかなり厳しい。まだ読んでいない人に端的に内容を説明するなら、肉片が生々しく飛び散り人が次々に殺されメインキャラはほぼ全員死んで尚かつ敵も死んで死んで死にまくりなお話。はっきし言って楽しくはない。しかし表紙の絵に騙されずに、進も戻るも地獄の戦いを味わってみたい人は読んでみるといいだろう。ちなみに第六回スーパーダッシュ小説新人賞の大賞に輝いた作品でもある。

エミリーが屋敷で姫として傍若無人に振る舞い、それでも侍女や警備の者からは慕われていたのが印象的。爺は何よりも姫の身を按じ、アルバート達も兄弟姉妹のように仲良く或いは歪に仲が良かった。どの人物もそこそこキャラに厚みがあったので中盤からの波乱は非常に辛いものだった。

敵にもそうせざるを得ないような大儀があったのはいいね。ジョゼフが話し合うという選択を放棄したのは許せないことだが、何よりも内乱を回避し隣国と戦争をしないが為の選択だったことを思うと難しいところ。あぁでも今思ったけど、弟王が病死したらどうするつもりだったんだろう?その時エミリーが生きてなかったら世継ぎ無しで内乱必死では・・・。

コンスタンスとマイルズにも同情の余地があった。好きこのんで亡霊騎士になったわけじゃないし、元々は姫と護衛騎士という関係だったんだもんなぁ。互いを思いやる優しさがあったからもしかすると生き残って静かに暮らしてくれるんじゃないかと期待していたが叶えられず。

両方の陣営に死んで欲しくない者がいる戦いというのはこうも辛いものかと思い知るね。

で、死闘のほうだけどマティアスの死が納得いかなかった。弓兵がいるなかで近接の敵と対するなら自分の立ち位置が非常に重要なのは言うまでもないが、マティアスは弓兵・近接・自分と一直線の位置を取らなかったようだね。これはありえない。弓に狙われないよう近接の敵を障害物にするのは当然だろう。しかもあの近接は超弩級の大型武器を持っていたしさらに障害物としてはうってつけだったのに。

他には影武者が非武装なのもおかしい。鉄球姫と名が轟くエミリーだというのに敵が攻めてきてドレスを着て震えていましたなんてありえない。鉄球はどこにいった、なぜ大甲冑を着てない。どう見ても本人ではありません本当にありg(ry

拉致されたジュディとアルバートは最悪の現実だった。誰も助けに来る気配もなくあとは死ぬだけとは。イラクでは毎日こんなことが起こっているんだろう。恐ろしい。ジュディが自白してしまったのも無理からぬこと。僕なら一秒でも拷問耐えられないよ。

自分が招いた失策から掛けがいのない代償を払ってエミリーが成長する様は見ていて非常に辛いが、もはや後戻りできない事態に唯一の救いは第一王女の精神的な成長だろう。きっと人の死や民とのふれ合いから何かを学び血肉としたことだろう。

この悪夢をエミリーはこれから背負いながら生きていかなければならない。そして修道女になってもおそらく暗殺の可能性は残るだろう。マティアスが生前、命に代えて願っていた内乱の回避を、エミリーは実現できるのかが今後の見所になりそうだ。
鉄球姫エミリー