阿良々木暦は鈍感なのかどうか、少々議論の余地があると思っていたが、今巻で決着がついたと思う。
忍野も阿良々木も、羽川翼は阿良々木が助かるように精一杯がんばっていたというのに、それをこともあろうに「気持ち悪い」とか、そりゃないよ。
唯の友達だからじゃなく、愛しているからあれほど阿良々木に尽くしたというのにね。
それに羽川はかなり直線的に自分の性をアピールしまくっていたが、阿良々木はその行為から愛を全く感じとろうとしなかったのはどう考えても最悪級の鈍感だった。
こうなると戦場ヶ原に阿良々木を盗られた羽川が不憫でならない。戦場ヶ原とのカップリングを見る視線がちょっと冷めそうだ。
ギロチンカッターの説得やキスショットの当初からの目的とか、見事に一本の線で結ばれて鮮やかだった。
もう生き飽きたから死にたいという思いと人間に戻りたいという双方の思いは需要と供給が合致していたのに、その手段が容易には受け入れがたかったのが精神的に重かった。
忍野の不幸になる提案で阿良々木はまだいいとしても、キスショットからしてみれば化物語の下巻で阿良々木の影に住み着くまではずっと苦しかっただろうに。
鬼の残滓にあまり感情移入するなとかあったような気がするけど、それは流石に無理だ。
忍野は一体何者なんだろうか。読み終わった漫画を後で貸してねというレベルからヴァンパイアハンターを圧倒する戦力を示すレベルまで幅広過ぎ。
数瞬キスショットの一人目の従僕かとも疑ったがそうでもない。あるいは神か。
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