物語も佳境に入ってようやく面白くなってきた。
人的損害を最小限にするためにガリオンはトラク暗殺へ、そして全軍は陽動作戦へ。たくさんの登場人物全てが最後の戦いへ動き出してついに盛り上がってきた。
しかし戦争の人数差がえらいことになったな。正義軍はせいぜい200万人なのに蛮族軍は400万人とな。やはり金の産出国だから豊かで人口も多くなるということか。
セ・ネドラが徴兵に苦心していたが、トルネドラ軍への説得に敵国には金貨がいっぱいあるから奪えばいいじゃんと言ったのはとても説得力があった。
戦の趨勢はトルネドラ軍が握っているし、報賞もそれに比例するのは間違いない。セ・ネドラは報償に悲観的だったがそれは杞憂というものだ。
正義軍の王たちは現状を劣勢だと思い込んでいるようだね。
だがちょっと待ってほしい。もしかして魔術師ポルガラ独りで敵400万人を倒せるのではないだろうか。リヴァの城で鬼神ポルガラが大暴れしたのを見てそう思わざるを得なかった。
あとアルダーの弟子には他に三人いたから彼らも参戦すれば一人当たり100万人を相手にするだけでいい。
しかも全部殺る必要もないし、ほんの数十万人くらいを雷で黒焦げにするだけで敵は怖気付き、味方は勢いづくことになる。
今巻の特筆すべきユーモアは二箇所。
一つ目は失踪したベルガラス達をリヴァへ送り返せと命令された王妃が、逆にベルガラスから送り返すなと命令されたところ。涙目の王妃が可愛かった。
二つ目は女王としての重責に気づいたセ・ネドラが、もうガリオンとは二度と口喧嘩をしないと誓ったけど、即座にポルガラに守れない誓いはするなと忠告されたところ。
ツンデレ女王の精神的成長は著しいな。胸は残念だが。
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