鉄球姫エミリー 第一幕 感想ネタバレ

本当にマジでこの作品はハードバトルだった。そんな重い物を期待して読んでいなかったので精神的にかなり厳しい。

エミリーが屋敷で姫として傍若無人に振る舞い、それでも侍女や警備の者からは慕われていたのが印象的。

爺は何よりも姫の身を按じ、アルバート達も兄弟姉妹のように仲良く或いは歪に仲が良かった。どの人物もそこそこキャラに厚みがあったので中盤からの波乱は非常に辛いものだった。

敵にもそうせざるを得ないような大儀があったのはいいね。

ジョゼフが話し合うという選択を放棄したのは許せないことだが、何よりも内乱を回避し隣国と戦争をしないが為の選択だったことを思うと難しいところ。

あぁでも今思ったけど、弟王が病死したらどうするつもりだったんだろう?その時エミリーが生きてなかったら世継ぎ無しで内乱必死では・・・。

コンスタンスとマイルズにも同情の余地があった。好きこのんで亡霊騎士になったわけじゃないし、元々は姫と護衛騎士という関係だったんだもんなぁ。

互いを思いやる優しさがあったからもしかすると生き残って静かに暮らしてくれるんじゃないかと期待していたが叶えられず。

両方の陣営に死んで欲しくない者がいる戦いというのはこうも辛いものかと思い知るね。

で、死闘のほうだけどマティアスの死が納得いかなかった。

弓兵がいるなかで近接の敵と対するなら自分の立ち位置が非常に重要なのは言うまでもないが、マティアスは弓兵・近接・自分と一直線の位置を取らなかったようだね。

これはありえない。弓に狙われないよう近接の敵を障害物にするのは当然だろう。しかもあの近接は超弩級の大型武器を持っていたしさらに障害物としてはうってつけだったのに。

他には影武者が非武装なのもおかしい。鉄球姫と名が轟くエミリーだというのに敵が攻めてきてドレスを着て震えていましたなんてありえない。

鉄球はどこにいった、なぜ大甲冑を着てない。どう見ても本人ではありません本当にありg(ry

拉致されたジュディとアルバートは最悪の現実だった。誰も助けに来る気配もなくあとは死ぬだけとは。

イラクでは毎日こんなことが起こっているんだろう。恐ろしい。ジュディが自白してしまったのも無理からぬこと。僕なら一秒でも拷問耐えられないよ。

自分が招いた失策から掛けがいのない代償を払ってエミリーが成長する様は見ていて非常に辛いが、もはや後戻りできない事態に唯一の救いは第一王女の精神的な成長だろう。

きっと人の死や民とのふれ合いから何かを学び血肉としたことだろう。

この悪夢をエミリーはこれから背負いながら生きていかなければならない。そして修道女になってもおそらく暗殺の可能性は残るだろう。

マティアスが生前、命に代えて願っていた内乱の回避を、エミリーは実現できるのかが今後の見所になりそうだ。
鉄球姫エミリー